我が国の凋落は必然の結果
- rpa696
- 2022年7月6日
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前回に引き続き、KDDI大規模障害関連のNTT回線独占の功罪について、記述しようと思います。2020年の、TOBによるNTTのNTTドコモ完全子会社の蛮行により、NTTは光ファイバー網の回線使用料を通じて、国内通信市場を完全支配できる素地が出来上がってしまいました。これによって、新たに携帯電話事業に参入する企業は皆無となるでしょう。NTTに利益を搾り取られることは目に見えているからです。NTTの経営者にとっては「左団扇」でしょうが、長い目で見ればこれで我が国の通信市場拡大は停滞し、国際競争力も低下することは間違いありません。NTT独占に関する総務省への「言い訳」はGAFA対抗とのことですが、GAFAはこの様な生ぬるい規制下で誕生したのではありません。自由競争下でこそ、生まれてきたのです。新電電の設立を促し、通信業界での競争を促したNTT初代社長真藤恒氏がご存命であったら、どの様に嘆かれるか想像に難くありません。GAFAに対抗するどころか、日本沈没を加速させることでしょう。
一方、筆者が長く所属していたプリンタ業界は、環境対応等全世界的に課される義務を除けば、規制の影を感じることは殆どありませんでした。自分の頭で考え、中国の奥地のユーザー訪問をしたこともあります。品質・価格・サポート等により自由競争を戦ってきました。業界他社のメンバーも同様の苦労を味わってきたものと思います。一方で政府等から施しを受ける等という発想は全くありませんでした。
その結果、どうでしょうか?総合プリンターメーカーで残っているのは日本企業のみです。渦中で働く身にとっては、厳しい毎日ですが、自由競争を勝ち抜けば結果が待っているのです。この様に資本主義の基本理念が広がることを改めて願っています。今のわが国は世界最強であった、1980年代から明らかに退化しています。先進国から、一人当たりGDPも給与も低下しているのは、必然の結果なのです。
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